関節炎にはコラーゲンがよく効く

ところでコラーゲンが関節炎に効くということを聞いたことがありますか。コラーゲンは繊維状のタンパク質ですが、皮膚、血管、腱、歯などほとんどの組織に存在していて、身体を構成する全タンパク質の約30％も占めているのです。

この全コラーゲンのうち40％は皮膚に存在し、20％は骨や軟骨に存在しています。その他は内臓や血管など全身に広く分布しています。身体の中でコラーゲンを作り出す主な細胞は、皮膚に存在する繊維芽細胞や、軟骨に存在する軟骨細胞、骨を形成する骨芽細胞などですが、コラーゲンはこれらの細胞から分泌されてから細胞の間を埋めてゆき、他の糖タンパク質と細胞間マトリクス状態を形成します。

つまり、骨は単なる身体を支える鉄骨のような支持組織などではなく、生体のカルシウムの代謝調節をしている重要な器官でもあるのです。例えば血液中のカルシウム濃度が低下すると、骨は直ちにカルシウムを溶出して身体の機能を正常に保つようにします。骨自体では常に「破骨細胞による骨吸収」と「骨芽細胞による骨形成」の２つが起っていてリモデリングとでもいうように全身の骨が作り直されているのです。

軟骨の方は軟骨細胞と軟骨基質で構成されています。軟骨の基本成分は高分子のプロテオグリカンとII型コラーゲンというものです。コラーゲン繊維は骨の支持体としての役割の他に、軟骨細胞の伸展、増殖という重要な役割を果たしており、関節炎の改善にはコラーゲンの補充が欠かせないわけです。